豪奢?それとも盤石?~ドイツのお城事情

言語はその環境に左右されます。
例えばわかめも昆布ものりもひじきも、海が少なく、食用しないドイツでは「Seetang(海藻)」と一緒くたにされてしまいます。

この反対の例が「城」で、日本語だと「城」としか訳せないのですが、
それに相当するドイツ語はいくつかあるのです。

日本人観光客から絶大な人気を誇るドイツの城は何といっても、ルートヴィヒ2世が建てた「ノイシュバンシュタイン城」で、
このような華麗な城はSchloss(シュロス)と呼ばれます。

しかし何といってもドイツに多いのは、Burg(ブルグ)と呼ばれる堅牢な城。
華美さはあまりなく、堀に囲まれ、戦のための跳ね橋や大砲や鉄砲を打つための穴などの工夫がされています。
日本からの観光ツアーが訪れるようなところでいえば、ライン下りで見かける城のほとんどがBurgの代表格です。

また、大司教の司教館、Residenz(レジデンツ、宮殿)も城と訳されることがあります。
ヴュルツブルクの司教館は世界遺産にも指定されており、
当時のキリスト教大司教の権力の象徴的な、豪華絢爛な建物です。

ドイツ旅行で「お城のホテルで宿泊(食事)」という謳い文句にひかれて申し込んだのに、
ついてみたら、それは壮麗なシュロスやレジデンツではなく、
ブルグだったなんてこともあるかもしれませんから、がっかりすることのないよう、
事前にどんなお城かチェックしてみてください。


ヴュルツブルクのレジデンツ。建物の内部も壮麗ですが、庭園も素晴らしいので、見学にはたっぷり時間を取りたいところ。

ライン河下りでは、左右両岸に次々とこのような城があり、主要河川であったことがよくわかります